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"Fear Criticize Praise News"

<与党への批判と賞賛>Go To トラベル

 

(「Go To トラベル」は英語に直すと、"Go To travel" になると思われるが、英文法としては誤りである。この場合の「To」は行先を表す前置詞でありその直後には名詞を入れなければならない。「travel」も名詞ではあるが場所を表すものではないのでこの場合は使えない。旅行に行くという英語は "Go traveling" または"Go on a trip" が正しい。)

ejje.weblio.jp

 

 Go To トラベルはざっくりにいうと、旅行時の際大幅に割引が行われる制度となっている。魅力的な制度となっており、実際に使った人も多いだろう。人を動かす政策であったため経済を回した可能性があった一方、感染を拡大させた可能性もあった。実際はどうなんだろうか。

 <Go Toトラベルへの賞賛>

 Go Toトラベルが経済を回したということはほぼ確実だと言える。内閣府が発表した実質GDP成長率を見ると2020年10~12月のGDPは20%を越えており、Go Toトラベルを開始した時期と重なっているため強い相関関係がある。Go ToトラベルがGDP成長率上昇に貢献したことは明らかである。ただし、産業別には見ることができないので注意は必要である。また、Go Toトラベルが感染者を増加させたことは確実性に欠ける。実際Go Toトラベルが始まった7月から感染者が急激に増えることはなかった。10月ごろに感染者数が急拡大したが、Go Toトラベルが感染を拡大させたかは定かではない。むしろ気温の減少との相関関係が強い。相乗効果によって感染が拡大した可能性はあるものの、直接的な原因とは考えにくい。

 

www.jiji.com

 

<Go Toトラベルへの批判>

 Go Toトラベルが感染者増加の原因とは考えにくい以上、どこに問題があるのか。それは経済を回す点である。旅行に関係する産業にしか恩恵が届いていないのである。他の産業もコロナによって甚大な被害が出ているのにも関わらず、旅行業界の救済にのみ踏み切った根拠が乏しいのである。この理由として自民党の二階幹事長の存在が関係している。Go Toトラベルキャンペーンを受託したツーリズム産業共同提案体が二階幹事長に少なくとも約4200万円の献金を送っているのである。また、共同提案体の一つである全国旅行業教会(ANTA)の会長を二階幹事長が務めている。以上から断定はできないものの利権のためにGo Toトラベルが開始された可能性が極めて高い。

bunshun.jp

 

 Go Toトラベルは経済の活性化に貢献し、感染を拡大させた直接的な原因とは考えにくいため結果的に良い政策だった。しかし、旅行産業だけを救済する明確な理由が無い以上、その他の産業にも同程度の救済をし、また生み出した経済効果の内訳を提示するべきである。(西園寺康平)