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<与党への批判と称賛>岸田内閣

 2021年自民党総裁選が終わり、岸田内閣が発足しようとしている。今回は岸田内閣の人事について、批判と称賛を交えながらまとめていく。

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<称賛>

 1点目は若手や女性の登用である。総裁選では敵となっていた野田聖子氏や、防衛政務官を務めた小林鷹之氏の起用が検討されている様子だ。年功序列、男性優位の風潮がある政治界が変わろうとしている。彼らの活躍次第では今後、女性・若手議員の更なる登用の可能性もある。期待したい。

 2点目は二階派の排除である。自民党執行部の顔ぶれをみると、岸田派・麻生派細田派出身の議員が目立つ一方で、二階派出身議員の名前は見当たらない。岸田氏は総裁選出馬の際の公約として自民党役員任期を3年までにすることを挙げており、二階氏とは事実上の敵対関係にあった。また、多くの国民の間には二階氏が親中派として知られているなど、自民党内からも反発が多かった。このような経緯から二階派の排除を行ったのだろう。中国との関係が悪化する中で、この人事は支持率上昇という点で称賛できる。

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<批判>

 1点目は人事に変化があまり見られなかったことである。確かに前述したように女性や若手の登用を推進するなどの変化はあった。しかし、安倍・麻生・甘利の通称3A の影響を受けた内閣の人事が発表されるなど、安倍・すが政権を継承するような政府となった。日経平均株価も政府の変化の乏しさから大きく下落した。

 2点目は親中派の排除である。先程、称賛すべきことの1つに二階派の排除を挙げたが、あくまで国内の自民党支持に関する称賛である。外交面では批判すべきだろう。日本はいまだに経済面において中国に依存している。今年5月の日本の中国向けの輸出、輸入比率はいずれも全体の2割を超えている。仮に中国と日本が関係を絶つとすると、間違いなく日本に大きな影響が与えられる。親中派の排除より先に脱中国依存を推進するべきなのである。その点で今回の親中派排除は批判すべき点である。

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<まとめ>

 岸田内閣は若手や女性の登用を強める点で称賛すべきである。今後もこの風潮が続くよう期待する。また、任された若手や女性議員はこの風潮を途絶えさせないために期待に応えるような仕事をすべきである。しかし、全体的にみると安倍・すが内閣を継承した形になっている。マーケットが期待する「変化」を作り出せるかが今後の焦点となるだろう。(西園寺康平)