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<与党への批判と称賛>10万円給付は一律で良かったのか?

 新型コロナウイルスのオミクロン株が日本でも猛威を振るい始めた。そんな中、岸田内閣は18歳以下への10万円給付を決定した。前回、10万円給付の方法について考察した。今回は10万円給付について所得制限が必要だったかを考える。

 

<所得制限を設ける>

 所得制限を設けるメリットは2つある。1つは格差の是正である。10万円給付の目的の1つとして新型コロナウイルスのオミクロン株の流行による金銭的余裕がなくなった人に対する援助である。所得が少ない人が金銭的余裕がない人であると断言することは時期尚早であることが否めないものの、その2数には相関性があるため所得による給付制限は効果的である。もう1つは財源の節約である。この2年で日本の国債費は急激に増えた。10年後にはその返済が迫られる。極力支出を減らしたいのである。所得制限を設けることで10万円を給付する人数を絞ることができるので支払われなかった世帯の数ほど国の支出が減少する。その点で所得による給付制限は効果的である。一方、所得制限にはデメリットもある。それは処理の煩雑さである。所得制限を設けるということは1世帯の所得を調べる必要があるのである。すなわちこれらの調査に人件費と作業時間が必要となるのである。そのため、先ほど所得制限は国の支出を抑えることができると述べたが、人件費の詳細な試算を出さない限りわからない。また、迅速な給付が必要であるのにそれが達成されないのである。

 

<一律給付する>

一律給付のメリットの1つは迅速な給付である。先ほども述べたように所得制限を設けてしまうと処理に時間がかかってしまう。オミクロン株が流行している今こそ給付の必要性があるのであって、遅延は許されない。一方、一律給付にはデメリットもある。それは、格差の拡大である。一律に10万円を給付することで金銭的余裕のある人にも10万円が給付されてしまう。本来、政府の財政政策の基本は税の再分配である。一律の給付はこの基本を無視してしまうのである。

 

<まとめ>

 18歳以下への10万円給付が一律で行われたことは評価すべきである。今回は、迅速さが肝心であるため、政府の採った方法に誤りはなかっただろう。ではそもそも給付は必要であったのか。ある統計では7割以上の給付金が貯蓄に回ったのではないかという指摘もある。ただのバラマキではないことを願う。(西園寺康平)

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