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"Fear Criticize Praise News"

<政府、東京都への批判と称賛>新型コロナウイルス対策

 日本で新型コロナウイルスが蔓延してから1年半が過ぎようとしているが、一向に収まる気配はみられない。これは海外も同じである。各国が試行錯誤をしているものの、最善の対策を打ち出すことはできていない。今回は日本の新型コロナウイルス対策について批判と称賛を交えてまとめていく。

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

 <批判>

 先日、政府は新型コロナウイルス軽症者は基本的に自宅療養とする方策を定めた。これは病院が患者によって逼迫していることを示すとともに、感染蔓延を助長するものである。新型コロナウイルスに感染した場合、2週間経過することで他人に感染する可能性がほぼゼロになることが明らかになっている。新型コロナウイルス軽症者にとっては2、3日くらいの高熱が発生する程度で、後遺症などを除くとすぐに通常の生活に戻ることができるのである。さて、通常の生活に戻った新型コロナウイルス軽症者が2週間自宅で待機することができるだろうか。中には新型コロナウイルスに感染したことを偽る患者も出てくるかもしれない。今の政府、東京都はこんなことも推測ができないだろうか、いやできるだろう。では、なぜ放置しているのか。答えは簡単である。具体的な対策を作ることを放棄したのである。サービス業で潤ってきた日本は、国民もまたそれらの娯楽を楽しむことに慣れてしまった。我慢の限界である。

mainichi.jp

<称賛>

 日本の新型コロナ対策における称賛すべき点はワクチン接種であろう。河野大臣や菅総理をはじめ、ワクチン確保の迅速さは評価すべきだろう。システム自体には難ありだが、1時間程度でどこかしらのワクチン接種予約ができるようになっている。少し話が逸れるが、オリンピック演出担当だった小林賢太郎を即時解任したことも、ファイザー社との直接交渉に影響が出ると思ったからだろう。政府のワクチン獲得における一連の施策は称賛に値する。

 また、経済を完全に停止しないという点も称賛すべきだろう。具体的な理由はわからないが、欧米系よりもアジア系の方が新型コロナウイルスの死者数が少ないことは明らかである。この結果、経済を完全に止めることなく新型コロナウイルスの対策ができるのである。この利点を活かしているかは定かではないが、欧米のようにロックダウンをするがないことは称賛に値する。ただし、採算が取れていない事業者は数多くある。給付金の支払いの遅れもみられる。これらの対策をしなければ経済的に死んでしまう人が相次ぐだろう。

 

<まとめ>

 新型コロナウイルス軽症者の自宅療養はいうまでもなく愚策である。緊急事態宣言が名ばかりとなってしまった今、人流の動きを止めるために個人や事業者に協力してもらうことは不可能である。本気で対策するのであれば、給付金の対象や額を拡大し、全ての商業施設の営業を止めなければ今後さらに感染者は増えるだろう。ただ、これもオリンピックを開催してしまったために、政府や東京都の発言への信頼度はすっかり落ちてしまった。(西園寺康平)